パートナーの浮気は、最終的に「裁判」に発展する可能性もあります。
その際に有利な条件で結末を迎えるためには、裁判で使える「浮気・不倫の証拠」が必要です。
浮気や不倫の証拠には「一般的に『不倫している』とわかる証拠」であっても「裁判で『不倫している』と認められる証拠」であるとは限りません。
浮気・不倫の証拠集め前に知っておくべき基礎知識
浮気と不倫の違いを理解しておこう
「浮気」と「不倫」は同じ意味だと勘違いしている人が多いのですが、厳密にはこの2つの言葉は異なる意味を持ちます。
まず「浮気」とは、一般的に配偶者の一方または恋人が、パートナー以外の異性と恋愛関係になること、および恋人関係であることを疑われるような行為をすることを意味する言葉です。
例えば結婚している男性が、奥さん以外の女性と恋人関係になり、デートを繰り返すことは一般的に「浮気している」と認識されます。
言葉の意味としては夫婦関係・恋人関係に限定しない意味として使われることもあり、例えば「趣味」や「ペット」などでも浮気という表現を使うこともあります。
一方で「不倫」とは、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを意味する言葉です。
「不貞行為」とも呼ばれる行為であり、基本的に結婚している人が配偶者以外の異性と性交渉を持つことを意味します。
法的な概念としては、裁判になる、つまり法的に離婚請求や慰謝料請求が認められるためには、不貞行為の存在が認められる必要があるのです。
そのため、裁判になることを想定するにあたっては「浮気」と「不倫」を明確に区別して、できる限り不倫の証拠を多く確保しておく必要があります。
浮気・不倫の証拠を持つメリット
すでに少し触れている事柄ではありますが、「浮気や不倫の証拠を確保する」ことには以下の3つの意味があります。
①離婚請求で有利になる
浮気や不倫の証拠を持っていると、「離婚請求で有利になる」というメリットがあります。
基本的に法律では「離婚事由(法的離婚事由)」がなければ離婚請求は認められません。
法的離婚事由とは、
- 不貞行為(不倫のこと)
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明の状態
- 強度の精神病を患い、回復の見込みがない
- その他、婚姻関係を継続することが困難な理由がある
の5つが定められており、不倫の証拠があれば離婚裁判で離婚が認められる可能性が高くなります。
なお、法的離婚事由がなくても「協議離婚(調停や裁判を経ずに夫婦間の合意により離婚すること)」は可能ですが、必ずしも浮気・不倫したパートナーが協議離婚に応じてくれるとは限りません。
協議離婚ができない場合に「調停」や「裁判」となりますが、その際に証拠が必要になるのです。
浮気・不倫したパートナーとの離婚を考えている場合にできる限り確実に離婚したいと考えているのであれば、裁判で認められるような不倫の証拠を集めておくことをおすすめします。
②慰謝料請求がしやすくなる
不倫・浮気の証拠があると「慰謝料請求しやすくなる」というメリットがあります。
通常、有責配偶者(不倫など、離婚の原因を作った側のこと)やその不倫相手に対して慰謝料を請求できますが、その証拠があるのとないのとでは大きな違いがあるのです。
証拠があれば相応額の慰謝料請求が認められやすいのですが、証拠がない上に相手が不倫を認めていない場合だと簡単には慰謝料請求できません。
しかし、明白な証拠があれば裁判でも有利になりますし、裁判にならないとしても言い逃れできないことで慰謝料請求に応じる可能性が高くなります。
少しでも納得できる金額の慰謝料を請求し、それが認められるためには不倫の証拠を提示できることが重要なのです。
③離婚をしたくない時に有利になる
浮気・不倫の証拠を持っていると「離婚したくない場合」であっても有利な立場を維持しやすいです。
通常、裁判において有責配偶者の側から離婚請求することは認められていません。
つまり、裁判において不倫している配偶者の側から「離婚したい」と要求された場合にこちらが「離婚したくない」と考えている場合、要求が通りやすいのは証拠を持っているこちら側なのです。
また、裁判に発展しない場合でも証拠を提示することでパートナーに浮気・不倫の事実を認めさせ、謝罪・反省させることで夫婦関係の修復にも役立ちます。
一般的に浮気・不倫の証拠は夫婦関係を解消するための証拠として用いられるイメージがありますが、夫婦関係を修復し維持する目的であっても必要になるのです。
浮気・不倫の証拠として使える(裁判で認められる)もの
【証拠として裁判で一番強い】探偵(興信所)の調査報告書
裁判で使えるような証拠として最も有力なのは「探偵の調査(浮気調査の)報告書」です。
浮気調査を探偵社に依頼する場合、一般的にその結果を「調査報告書」として依頼人に提出します。
内容・品質が十分であれば、裁判でも有力な証拠として認められる可能性が高いのです。
逆に、質の良くない調査報告書の場合だと、裁判になった際に証拠として認められない可能性があります。
一般的に浮気調査には何十万円という費用がかかりますので、裁判になった際に遊離になるように調査力の高い、しっかりとした調査報告書を用意してくれる探偵社を選ぶことが重要です。
音声・撮影データ
証拠としての価値が高く、探偵が浮気調査の報告書にも用いることが多いのは「音声・撮影などのデータ」です。
探偵が浮気調査の報告書に添付するものとしては、撮影した写真や動画などのデータが多く、例えば「不倫相手と一緒にホテルに出入りしている様子」がわかる動画データを証拠として提出することが多くみられます。
画像や動画データだけでなく、「不倫や浮気の事実を認めた会話」や「不倫相手との電話などでの会話」などを録音した音声データも、浮気・不倫の証拠として有力です。
ただし、改ざんが容易な媒体である場合には証拠として認められるかどうかが問われる可能性があり、素人が集めた音声・撮影データだと方法によっては証拠として認められないリスクがあります。
ラブホテル(シティホテル)等のレシートやクレジットカードの利用明細
「ホテルのレシート」または「クレジットカードの利用明細」が、浮気・不倫の証拠として認められるケースもあります。
特に「ホテルや宿泊施設を『何度も』利用している」ことがわかると、単発的ではないことから浮気や不倫の証拠として認められることが多いのです。
また、不自然な店舗・施設(仕事やプライベートで近寄らないような場所)の利用がわかるレシートやクレカの利用明細があると、不倫の際に利用したホテルや不倫相手の自宅に行ったことが疑われる証拠として扱われることがあります。
その他にも「異性用の下着」や「避妊具」「性行為用のグッズ」などの購入履歴がわかるもの(クレカの利用明細やレシート)があると、不倫の証拠として認められやすいです。
厄介な点としては、昨今はクレカ以外にもさまざまな決済手段が登場しており、パートナーがどんな手段でこれらの証拠の支払いをしているか把握する難易度が高くなっていることに注意が必要になります。
LINE・メール・手紙などの文面
「LINE」「メール」「手紙」などの文章媒体が浮気・不倫の証拠として認められることもあります。
昨今だと「手紙」が使われることは少ないですが、「LINE」や「メール」など携帯電話でやりとりする文章媒体が不倫の証拠として裁判に提出されるケースが多いです。
ただし、どんな文章であっても証拠として認められるわけではありません。
例えば「不倫関係(性交渉)が明確な文章が、何度もやりとりされている」となれば、有力な証拠として扱われることが多いです。
また、浮気や不倫関係が疑わしいプレゼント(指輪やアクセサリー、異性用の下着や洋服など)が、同じように証拠として扱われることもあります。
逆に、一度だけそれらしいやりとりが疑われる文面や物品を見つけたとしても「イタズラでやったことだから」「間違えて買ってしまった」などと躱されてしまう可能性があるでしょう。
相手に言い逃れされないためには、言い逃れできないほど多くの証拠を集めることが重要なのです。
ブログ・Twitter・FacebookなどSNS
文章媒体といえば、他にも「ブログ」「Twitter」「Facebook」などのSNSが証拠として認められる事例もあります。
不倫関係について確認できる記事だけでなく、SNSだと「写真」をアップロードしているケースが多いです。
「本人のアカウントであることがわかる」ことと「アップロードされた証拠の写真が撮影された日時と場所が明らかである」といった条件が満たされていれば、証拠として認められる可能性があります。
とはいえ、多くの場合は浮気や不倫が疑われるような証拠を残すのは「裏アカウント」と呼ばれるような、出所がわかりにくい媒体を用いることが多いため、調べる際には相応の手間がかかる可能性が高いです。
手帳などの浮気・不倫などを示す記録
他にも文章系の媒体として「手帳などの記録」も証拠として認められる可能性があります。
例えば「不倫相手とのスケジュールについて記録している手帳」や「不倫相手との行動について書いた日記」などです。
他にもメモ帳や名刺などに書かれた私的な電話番号やメールアドレスが証拠として扱われる事例もあります。
単独では証拠としての能力が低いものであっても、別の証拠と合わせることで強力な証拠になる可能性がありますので、怪しまれないレベルで可能な限り多くの証拠物品を確保しておきましょう。
位置情報がわかるGPSの記録
最近では「GPSを使った位置情報の記録」が証拠として認められる事例もあります。
「ホテルなどの宿泊施設」や「不倫相手の自宅」に行ったことがわかる位置情報記録があると、浮気・不倫の証拠として認められることがあるのです。
注意すべきポイントとして、GPSを使った位置情報の把握は「プライバシーの侵害」として違法性が指摘される場合もあります。
不倫相手の妊娠や堕胎の証明ができるもの
ここからは少しダークな側面もありますので注意してほしいのですが、もしパートナーやその不倫相手との間に「妊娠」や「堕胎」の事実があれば、不倫関係の有力な証拠となる場合があります。
これに関しては証拠を集めにくいという側面もあり、「妊娠(堕胎)に際して通院した病院を特定しなければならない」「裁判にならないと病院が情報を開示してくれない可能性がある」といった点が理由です。
不倫相手の子供の血液型
もし、あなたとパートナーの間に「子供」がいる場合において、「血液型がありえないものである」という場合には、場合によっては奥さんが不倫している証拠になる可能性があります。
例えば「両親ともにA型なのに子供はB型」という場合には、B型またはAB型の不倫相手がいる可能性があるのです。
ただし、血液型がありえない場合でも「あなたと奥さんの間の子供ではない」ことはわかっても「奥さんと誰の間の子供か」はわかりません。
そのため、単独では不倫相手を特定できない証拠であるため、別の証拠と合わせて利用するのが基本となります。
浮気・不倫の証拠として使えない(裁判で認められない)もの
違法な調査方法で得た証拠
「違法な調査方法」で確保した証拠は、どれだけ浮気・不倫の存在が明確にわかるものであっても裁判では証拠として認められません。
例えば「盗聴器や隠しカメラを使って集めた証拠」「携帯電話のデータを勝手に抽出した」といったプライバシーの侵害に相当する行為には違法性が認められるため、裁判では有効な証拠としては扱われないことが多いです。
ただし、現実問題としてプライバシーを侵害しなければ浮気や不倫の証拠はまともに集められません。
そのため、実際の裁判では「著しく反社会性が問われるような方法ではない」「違法性が疑われるような方法を選択せざるを得なかった」と認められれば、証拠として認められる可能性があります。
改ざん可能なもの
「改ざん(改竄)できるもの」は、裁判では証拠としての能力が疑われる可能性があります。
改ざんできる証拠とは、例えば「デジカメで撮影した写真や動画」「LINEやメールの文面のコピペ」「スクリーンショット」「加工できる音声データ」などが挙げられます。
実際に改ざんしているかどうかではなく「改ざんの余地がある」ことが問題です。
例えば「デジカメではないカメラで撮影する」などの方法であれば、改ざんが疑われない証拠として認められる可能性が高くなります。
浮気・不倫の証拠として裁判で認められにくいもの
風俗店嬢やキャバ嬢の名刺
「風俗嬢やキャバ嬢の名刺」は、浮気や不倫の証拠としては弱いです。
奥さんからすればこうした名刺の存在は不快に感じるでしょうが、これらはあくまでも接客・サービスの利用により得たに過ぎないため、これ自体が浮気や不倫の証拠として認められる可能性はそれほど高くありません。
不倫の証拠として認められるためには、あくまでも「プライベートで肉体関係が認められる」ことを証明できる証拠である必要があります。
異性と食事や出かけたりした証拠
「異性と食事やプライベートで出かけた証拠」も、裁判で使える証拠としては弱いです。
前述の通り、裁判で認められるのは「不貞関係(不倫)の証拠」であって、これらの証拠は浮気の証拠としては認められたとしても不倫の証拠としては認められません。
そもそも浮気ではなくあくまでも友人や親戚関係である可能性もあるため、写真などで証拠を押さえても浮気の証拠としても認められない可能性があるのです。
自分で浮気・不倫の証拠を集める時の注意点
証拠は複数集める必要がある
1つ目に「証拠は複数集める必要がある」という点に注意してください。
不倫関係が認められる写真などの証拠があっても、単独では言い逃れする余地がまだまだあります。
1つ1つは証拠として弱いとしても、不倫が疑われる証拠が複数あるほうが証拠能力の高さが認められるのです。
「これは証拠として使えないかも?」と思っても、他の証拠と組み合わせることで証拠として使える可能性もありますので、集めやすいものを中心に複数の証拠をできるだけ多く集めることを意識しましょう。
継続した不貞行為の証拠が必要
2つ目に「継続した不貞行為の証拠が必要である」という点に注意してください。
浮気や不倫は、継続的に行っていることを証明する必要があります。
つまり、1度だけの証拠については浮気や不倫関係を証明する証拠としては弱いのです。
先ほど「複数の証拠を集める」という注意点について解説していますが、数を揃えるにあたっては可能な限り複数回の行動を示せる証拠を集めることを意識してください。
探偵や興信所に浮気・不倫の証拠集めを依頼する際の選び方と注意点
先ほども触れていますが、浮気や不倫の証拠を集めることは素人には簡単なことではありません。
そこで利用することになるのが「探偵」や「興信所」といった業者です。
この項目では、探偵社や興信所に浮気・不倫の証拠集めを依頼する際に注意すべきポイントについて解説します。
調査能力の高い実績がある探偵や興信所に依頼する
探偵社や興信所を選ぶ際には「調査能力の高さを把握できる実績がある」ところにしましょう。
探偵は「調査のプロ」というイメージがありますが、探偵を名乗っているからと言って必ずしも質の高い浮気調査を実施してくれるとは限りません。
「ピンからキリまで」という言葉があるように、探偵社や興信所は業者ごとにレベルが大きく異なるのです。
探偵社・興信所の中には調査に失敗するところもあれば、相場とかけはなれた高額な費用を請求するところもあります。
特に浮気調査では「調査力の高さ」は重要であり、仮に調査対象者に気づかれてしまうとしばらくの間はより慎重に行動するようになり、プロの探偵でも満足に調査することが難しくなってしまう事例も珍しくありません。
安心して浮気調査を依頼したいのであれば、「良い意味で知名度が高い」「料金体系が明らかで相場の範囲内である」「無料相談を実施していて、丁寧に受け答えしてくれる」といった条件を満たす探偵社・興信所を選ぶことをおすすめします。
可能な限りパートナーが不貞をしそうな日時を把握しておく
浮気調査を依頼するにあたっては「可能な限り調査対象者が不貞行為をしそうな日時」などの情報を把握し、提供できるようにしておくことをおすすめします。
例えば人探しをする際に「捜索対象は日本国内にいる」という情報のみある場合と「捜索対象者は東京都内にいる」という情報がある場合だと、後者の方が調査が必要な範囲が狭められるので難易度が低いです。
浮気調査においても、調査対象者の行動パターンなどの情報が多いほどに調査の難易度が低くなり、証拠集めに必要な時間や調査員の人数などを最低限に抑えることができます。
基本的に探偵社・興信所に調査を依頼する際には「調査にかかった時間」や「調査を行った調査員の人数」が多いほど、費用が高額になる傾向にあるのです。
短時間で確実に証拠を集めてもらおうと考えているのであれば、少しでも多くの情報を用意しておき、依頼時に探偵社・興信所に提供しましょう。
【最後に】浮気・不倫の証拠集めは探偵に依頼するのがベスト
浮気・不倫の証拠は最終的に裁判に発展した際に必ず必要になるものであり、証拠として認められるためにはさまざまな条件をクリアする必要があります。
その条件を満たしつつ、ターゲットに気づかれずに証拠を集めることは素人には簡単なことではなく、仮に尾行などがバレてしまうと夫婦関係を余計にこじらせることになり、トラブルに発展する可能性も否定できません。
浮気や不倫の疑いがある場合には、裁判でも使えるような証拠をしっかりと集めるために、浮気調査のプロである探偵に調査を依頼することをおすすめします。
浮気調査を依頼する際の探偵社選びは非常に重要で、悪い探偵社を利用してしまうと高額な料金が請求されて証拠も掴めない…などの最悪のケースも考えられます!
そこで現在探偵事務所で日々浮気調査をおこなっている私が中堅~大手まで36の探偵社を徹底的に比較しておすすめの探偵社を選びましたので参考にしてみてください!